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シュピーゲル
救出隊

"The Novelty Kingdom"の登場人物一覧

 

 

 

 ※文章中の色文字をクリックするとアンカーで移動できる項目があります。

 下線部分はドラッグすると読めますが、物語の核心に迫る内容が含まれています。ネタバレ注意!!

 ※随時更新していきます

 

              "ミネッテ王女救出戦線"     "シュピーゲル"

 

サンライズ王国 アハズ王国 タフト王国 ジュリエーザ共和国 アンスール帝国

 

マキア 『□□□』 and more...

 

 

 

"ミネッテ王女救出戦線"(主要メンバー)

 

 サンライズ王国第一王女ヴィルヘルミーネの身柄をアンスール帝国より返還させるための「条件」の達成を目的とした集団。

 外見の平均年齢は低めなので和気藹々とした「若者集団」に見える。それぞれが長所と短所を補い合う少数精鋭部隊。

 

 

  • クルト

 

 「誰が何と言おうと私は『ハインリヒ』…この国の!王子だ!!」

 

 本名「ハインリヒ=フォン=サンライズ」。この物語の主人公。サンライズ王国第一王太子にして元チゼル騎士団長の青年。北の隣国アンスール帝国に攫われた双子の妹のヴィルヘルミーネ(ミネッテ)王女を救いに単身アンスール城に突入するが、その際に受けた謎の呪いによって「王子としての自分の存在」を全世界から忘れ去られ、代わりに若干16歳で一兵卒からチゼル騎士団長の座に自力で上り詰めたというチゼル騎士団の若き団長「クルト」と認識されることになった。それから5年後、新たにアンスールの皇帝となったオフィーリア=ゾマ=アンスールが提案したミネッテ王女返還の"交換条件"の達成を父王であるフリードリヒより命ぜられ、アンスールへ再び赴く機会を得るためにエルデ地方全域を巡る旅に出た。何故か王子としての自分を知っていたチターとその知人シャトレイン、彼が連れてきたホアイルの3人に推(オド)される形でミネッテ王女救出戦線(以下"救出隊")を急遽結成、個性豊かな仲間たちに振り回されながらも旅を続けている。

 常に眉間にしわを寄せているが、実は"ハインリヒ"であった頃よりも性格が丸くなっており、妹を拐かしたアンスール帝国に対しても明らかに5年前ほどの憎悪は見られない。王子としての誇りや自尊心もほどほどに抜け落ちており、5年前のあれは「少年ならだれでも持つような無責任・無計画な正義感」であったと当の本人は解釈しているが、その変り様は周りの者たちから見れば実際のところ異常である。国々を渡る旅をしていくうちに、その国に潜むあらゆる問題や苦悩する人々、さらには目的であるミネッテの交換条件に隠された真実を目の当たりにし、段々と自身の行動や考え方に思い悩む様になっていく。歴代のサンライズ国王やその一族が受け継いできた「ソレイユ体質」の例に漏れることなく卓越した剣術のセンスを受け継いでいるが、本来無尽蔵であるはずの魔力が何故か受け継がれていないため救出隊のメンバーの中で唯一強力な魔法が使えない。後に伝説に伝わる"兄妹剣"の片割れであるマキア『アルバ』の主(マスター)となる。イメージカラーは"プルシアンブルー"。

 生後間もない時に衰弱し死にかけていたミネッテに本能でソレイユ体質の一つである「無尽蔵の魔力を生み出す力」の全てを流し込むことで彼女の命を救った。実はクルトはハインリヒとは完全に言い切れない存在で、正確にはエスティミ(ルシファー)の魔法によって分裂させられたハインリヒの"片割れ"である

 

  • チター

 

 「どもー回診でーす☆ ちょっと、逃げないでよ!」

  

 チゼル騎士団の専属女医で、医者見習いの時からクルトと馴染みだったおてんば娘。自称「大天才女医チター大先生」の名に恥じぬ程の知識と技量と自信を持つ文字通りの天才。だが一方で患者を少々粗雑に扱うようで、彼女の根城であるチゼル騎士団本部の医務室から連日断末魔に近い団員たちの悲鳴が聞こえてくるのは日常茶飯事である。お陰で肩書きはどちらかと言うと「天才」よりも「天災」に近い。しかしオペの成功確率は99.9%と腕は確かなので心配はご無用、と本人は語る。王子としての自分を忘れ去られ困惑していた当時16歳のクルトに対し「ハインリヒ王子」と声をかけた最初の人物。それ以来自分と同じようにハインリヒを覚えている者がいるかもしれないと探し続けていた。その結果「サンライズ王国のミネッテ王女には双子の兄である王子がいる」ことを知っていたシャトレインと出会う。メス、注射器をはじめとした「チター大先生七つ道具」が武器。イメージカラーは"カーマイン"。

 

 

  • ホアイル

 

 「なんで俺までお前らのお遊戯に付き合わなきゃなんねーんだよ」

 

 エルデ地方、特にサンライズ王都のデイブレイクで猛威を振るっていた盗賊。足技とナイフを駆使した身軽な動きで敵を翻弄し、一般庶民ではなく王侯貴族のヘソクリをかすめ取っていく。20年前にアンスール帝国に占領され滅亡した『イシュタル帝国』の生き残りで、元イシュタル帝国領、現アンスール帝国領に広がるスラム街で育った。両親は共に行方不明で本人はその名も知らない。デイブレイクの市で騎士団員に追われていた際、目の前にいたクルトの顔を踏みつけて跳び越えようとしたが逆にクルトに投げとばされ取り押さえられる。その場を見ていたシャトレインの機転で一旦は免れたが、今度は彼にクルトへの"手土産"として縛り上げられ夜のデイブレイクを舞い飛ぶことになった。「人を見下し貶める金持ちの人間」を最も嫌い、自身が勝手にそう思いこんでいた王族(であるが現在は忘れられているはず)のクルトに激しい憎悪を見せたことで彼もまたハインリヒを覚えている者の一人だということが判明した。本人は自覚していないが、女性には甘い性格。イメージカラーは"ローシェンナ"。

 

 

  • シャトレイン

 

 「優しいヒトなんていない、少なくともジブンはそう思うんだよね。ンフフ」

 

 顔の上半分を隠す白い仮面と黒のシルクハットが特徴的なマリオネットの道化師。二人称が人によって違う(クルトを『騎士(ナイト)クン』、カヤを『兎娘(オジョウ)サン』と呼ぶなど)。極東の島国「ヒノモト」での旅から帰ってきたばかりで、早い話が東方かぶれである。チターの手引きでクルトと接触し、アンスール城にいるミネッテが一途な思いで兄の無事を祈っていることを伝えた。しかし何故ミネッテと顔見知りなのか、その理由は全く話さない。さらに時折見せる仕草や自分のようにハインリヒを覚えている者がいる理由を薄々わかっているような言動をとるため、特にクルトから胡散臭く思われている。だが彼自身もそれを自覚しており(本人曰く"面倒くさい性格")、「ヒトは皆そんなものだから」「道化師らしいでしょ」と逆に怪しがられるのを楽しんでいるため余計にタチが悪い。因みにティーカップを持つときは小指を立てる派。その正体はとある人物によって人間の姿に変えられたフクロウ。誤ってサンライズ城の窓を突き破り墜落してしまった際にミネッテに助けられ、以降彼女の世話を受ける。「あの日」のその瞬間にはミネッテのドレスの中に隠れていたので共にアンスールへと連れて行かれた。ミネッテと再会する手掛かりを探していた時にある人物と出会い、彼と交わした契約の対価として人の姿になりたいと願い出た。ヒノモトで出会ったというマキア『カンダタ』の力が込められた糸を使い、相手を拘束する、糸でモノを斬る・操る、電気を通すなどトリッキーな戦法が得意で、影に溶け込むダーツ『ファントム』と併用することで応用させることも可能。イメージカラーは"金糸雀(かなりあ)"。

 

 

  • パンダ

 

 「『守るように』と"彼"に言われたの。あなたの運命も、世界も」

 

 サンライズ王国の南西にある「ルレットの森」に住んでいるというエルデ地方最優にして最強と謳われる魔導士。『パンダ』と言うのは本名ではなく、とある人物が彼女の本質を見抜きその性格を「白とも黒ともつかぬパンダの様」と形容したことから自身で名乗り始めたものである。ちなみに当の本人はパンダという動物を知らないという。ハインリヒのことを覚えており、5年前単身でアンスールに向かう彼と道ですれ違っていた。かつてはアンスール帝国の魔導士であったが、とある人物との間に確執が生まれたため袂を分かち帝国を抜け出してきた。よって現在は裏切り者として帝国に追われている。外見はクルトたちと同年代だが実際はリーナよりも遥かに年上で、悠久の時を生きている身であるからなのか他の救出隊のメンバーに比べて少し変わった価値観を持つ。一方で戦場のど真ん中で日記をつけていたり、寝言で呟いた詠唱によって魔法が発動してしまうなど所々抜けている面も見受けられる。杖に宿るマキア『エクリプス』の主(マスター)で、重力を駆使した魔法を主に得意とする他、リーナの愛弓にある程度の魔力を込めることで矢の威力を上げるなどしている。イメージカラーは"バイオレット"。

 

 

  • リーナ 

 

 「300年も生きていれば、こんなの気にしません! まあ何とかなるかな〜って感じです」

 

 ルレットの森の先住民であるエルフの末裔。中性的な顔立ちをしており、性別を訊くと「さてどちらでしょう」と言って答えようとしない。クルトたちよりも少々幼げな顔立ちをしているが優に齢300は超えており、クルトやチターら初期メンバーよりも世の事象を的確に見極めることができる。魔法について教えてくれるパンダのことを「お師匠」と呼び慕っているが、彼女とは師弟関係…というよりもお互いに長生きということもあって気の合う親友のような間柄に近い。弓の名手で、シャトレインとよくダーツと矢が狂い飛ぶ的当て勝負をしている。料理が上手で保存食の作り方も一通り知っている。愛弓にはエクリプスの力が少しだけ込められていたが、その魔力が変質しマキアの『ヨイチ』として実体化したことで彼(?)の主(マスター)になる。イメージカラーは"ビリジアン"。

 

 

  • カヤ

 

 「もう隠れてはいられないんだ…戦わなくちゃ! 逃げちゃダメだ!」

 

 エルデ地方で有名なサーカス団「パレットサーカス団」の踊り子をしていた兎の"獣人(セリアンスロープ)"の少女。舞台で人々を楽しませることが大好きだが、一対一で面と向かって誰かと話すのは苦手という一部臆病な性格をしている。ホアイルを一目見ていきなり泣き出すことで救出隊メンバーで初めて彼を狼狽させるという快挙を成し遂げた人物。この世界においての獣人は周りから酷い差別を受け奴隷や見世物にされる者も数多く、サーカス団はカヤを雇っているという名目で獣人商人(ウェア・ディーラー)たちから彼女を守っている。自らの意思で半獣人(耳と尾だけ)・獣人(腕や足にも毛が生える)・魔獣の3段階に化けることができ、特に魔法石『メルゼ』を触媒にして変化した魔獣形態になると獣人に宿っている"戦闘狂"の本能が発動し圧倒的なスピードと攻撃力、更には兎の跳躍力を駆使し敵を殲滅する。だが本人は戦いを好まないため、これはいざという時のための切り札としている。イメージカラーは"ロータスピンク"。

 

 

 

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"シュピーゲル"

 

 アハズ王国の一角にアジトを構える謎の集団で、救出隊が目指す「条件」の達成を阻止しようと暗躍し、物語の中で幾度もクルトたちと衝突する。

 レジスタンス集団と主に(ランスが)そう名乗っているが、政府の襲撃や略奪行為などは一切行わない。仲間内の関係は良好で救出隊と同じ少数精鋭。さらにメンバーの外見年齢や世代に開きがあることから、一見するとさながら「家族」の様である。

 

 

  • ランス

 

 「同じ顔の人間は2人もいらない。偽物は偽物らしく俺に斬り伏せられろ!!」

 

 シュピーゲルの筆頭。クルトと瓜二つの顔をした気性の荒い青年で、クルトを偽物と称し彼に剣を向ける。出生は一切不明だが、気がついた時に自分が初めて持った感情はアンスール帝国への憎しみのみであったという。3年前にオフィーリアとディザレスの父、つまり当時のアンスール皇帝であるリアを討ち取った張本人とされる。それぞれが悲惨な過去を乗り越え、そして自分と巡り合ったシュピーゲルのメンバーをかけがえのない自分の仲間(かぞく)だと思っており、その思いは他のメンバーも同様である。剣術はクルトのそれと互角、あるいはそれ以上の腕前だが彼自身慢心しやすい性格なのが玉に傷。後に伝説に伝わる"兄妹剣"の片割れであるマキア『ルナア』の主(マスター)となる。エイシック曰く、ルナアと契約した際、自分に妹ができたように思えて顔には出さないが異常に心踊っていたらしい。イメージカラーは"ボルドー"。

 正体はエスティミ(ルシファー)の魔法によって分裂させられたハインリヒそのもの。クルトとはハインリヒの記憶や経験が均等に分けられており、ミネッテやサンライズ王国のことについてはほとんど覚えていない一方である程度の剣術のセンスとアンスール帝国に対する例えようのない憎悪を持っているのはこのためである。クルトをハインリヒの"光"の人格とするならランスは"影"の人格と言える

 

 

 

  • ヘクター

 

 「ねえねえ教えて! 今のボク、"誰"に見える?」

 

 シュピーゲルのメンバー。騎兵の甲冑を身につけた活発な性格の少女。鎧騎士の格好をしているが本人は馬に乗れない。"オトナになるまで"人前では兜を外さないという奇妙な誓いを立てている。変装が得意で男装女装なんでもござれの百面相だが、そのせいで本当の自分の顔が判らなくなってしまってきているという。「大切な誰かをずっと守れる力」を欲しており、寿命の長いエルフであるリーナに憧れを持つようになる。また「大切な誰かを失うこと」を最も恐れており、メンバーが怪我や病気になった時はこの世の終わりが来たかのように狼狽える。元はサンライズ王国に所属する工作員(スパイ)だったが嫌気がさしたため遂行中の任務を放棄し行方を眩ました。国家機密を握っている彼女を始末するべく王国の諜報課に雇われたのがモーリシャスとコマチである。イメージカラーは"レモンイエロー"。

 

 

  • ディード

 

 「正直良いこたねェんだよなァ…影薄いし打たれ弱ェし」

 

 シュピーゲルのメンバー。頭にバンダナを巻いたガタイの良い男性。本名は『サアディー=ドレイク』、略して『D°(ディード)』である。かなりの高身長だというのに非常に影が薄い。その理由には自身の「体質」が関係しており、特に図書館などの書物が多い場所などでは完全に気配を遮断することができるという異質な能力を発揮する。よって彼の役目はヘクターと共に行う諜報活動が主。若い頃(本人曰く"チンピラだった頃")に無二の親友と世界を回ったことがあるらしく、エルデ地方の国々の文化や情勢について詳しい。ホアイルのことを知っているような言動が見られるが関係は不明。手甲に宿る雷のマキア『ジッグラート』の主(マスター)だが、元々ジッグラートが争いを好まない性格なのであくまで護身用の力としている。イメージカラーは"ローアンバー"。

 

 

  • ヒャクラ

 

 「丁か半か、ピンかキリか…間違えれば素寒貧、簡単なことやないですか」

 

 シュピーゲルのメンバー。着物をアレンジしたドレスを身に纏う妖艶な女性。極東の島国「ヒノモト」出身で、イカサマ無しだというのに未だ負けたことのない凄腕の賭博師(ギャンブラー)。というのも彼女が持つ天性の「幸運」がそうさせているのだが、本人曰くこの幸運がある事件を引き起こし、結果全てを失った過去があるという。戒めのために自身の運を「凶運」と呼び忌み嫌っているが、博打好きであることに変わりはない。花札・丁半は勿論、ブラックジャック、ルーレットなどのギャンブルもこなし、偶然アハズの市場で出会ったシャトレインとはお互いの素性を賭けてポーカーで勝負した。イメージカラーは"紅(くれない)"。

 

 

  • エイシック

 

 「何処ぞの馬の骨やもわからぬ老爺に教えを請うのかね?…はっはっは」

 

 シュピーゲルのメンバー。外套を着た老人の"様な"聡明な男性。前職は医者であったそうだが、過去については一切不明。魔法医術の他に攻撃系統の魔法も持っているが、その際にエルデ地方では知られていないはずの「電子回路」や「デジタル数字」のような紋様の結界を展開させる。自らの能力に多大な自信と誇りを持つ生まれながらの天才であるチターに「いずれ自分の力不足に気付くだろう」と彼女の行く末を心配しながらも非常に厳しい忠告をした。パンダと顔見知りであるような雰囲気であるが、お互いにあえて関わり合わないようにしていると思われる。イメージカラーは"メドウグリーン"。

 

 

  • ユアン

 

 「あなたたちに わかるわけない。というか わかろうとしないで」

 

 シュピーゲルのメンバー。身の丈以上の杖を持った魔法使いの少女。外見年齢はシュピーゲル最年少だが、実年齢では既に成人している。今も幼女の姿である理由は彼女にとっては思い出したくもないトラウマとなっているらしく、その記憶を呼び覚ますきっかけとなる事象が起きたりすると途端に発狂してしまう。周りに怪しまれないよう子供であることを「演じる」ためにディードに肩車をしてもらっている場面が時折見られるが、あまり悪い心地はしないらしい。杖に宿るマキア『イヴ』の力を使った精神撹乱系統の魔法が得意で、その気になれば多くの人間を洗脳し操ることも可能。魔術を教えてくれるエイシックには懐いており、パンダにはライバル心を燃やしている。大嫌いなものは「ロリコン」。イメージカラーは"オペラ"。

 

 

  • リキューレ

 

 「怪我させたくないのよ、アタシ。だから月が出る前に早くお帰り」

 

 シュピーゲルのメンバー。明るい笑顔が印象的な狼獣人の青年。口調が女性的であるが、これは生まれつきなので決して彼はオカマではない。料理も洗濯も得意な専業主夫気質で、実質シュピーゲルは彼のおかげで機能できていると言える。同じ獣人であるカヤに親近感を抱いており、お互いに敵対集団の一員であると知った上で個人的に彼女とコンタクトをとろうとしている。戦いの際は魔法石『モルフォ』の力で美しい巨大な銀狼に変貌するが、満月の夜に変化すると何故か力の制御が効かなくなり敵味方関係なく攻撃してしまう。よってカヤと同様いざという時のためにしか使わない「とっておきの一手」としている。イメージカラーは"ヘブンリーブルー"。

 

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サンライズ王国編の主要人物

 

  • ヴィルヘルミーネ=フォン=サンライズ(ミネッテ)

 

 ハインリヒの双子の妹。顔が兄と瓜二つなために幼少の頃は妹が自身の影武者として立てられていたことを兄は知らない。5年前のある日、アンスール帝国の密偵に攫われる。以来とある理由で帝国の城の一室に閉じ込められているが、女帝のオフィーリアとは何度か面会しているという。呪いを受けなかったためハインリヒのことを覚えており、「兄の無事をただただ祈っている」とシャトレインは語っているが、彼との関係性は不明。

 ハインリヒに受け継がれた「ソレイユ体質」の一つである無尽蔵の魔力は彼女が持っている。5年前、成長したミネッテの身体がハインリヒの魔力に拒否反応を起こし始め、最終的には命を失う恐れがあることを知ったフリードリヒはリアに協力を仰いだ。リアはアンスールで長らく使われていた人間の魔力を吸収しエネルギーに変換する装置をもって、ミネッテの中に眠るハインリヒの魔力分をある程度放出することで治る可能性があることを示唆する。公的にはお互いに不仲であるとされていたために作戦は両王と一部の関係者たちによって秘密裏に実行された。しかしそれを良しとしなかったエスティミの放った刺客に「ミネッテ王女がアンスールに誘拐された」という嘘の情報を王室中に流され、事態は最悪の方向へ舵を切ることになってしまう

イメージカラーは"ガーネット"。

 

  • フェルディナント=フォン=サンライズ(フェルニエ)

 

 ハインリヒ、ヴィルヘルミーネ兄妹の弟で、「現」サンライズ王国第一王子。ハインリヒの存在が忘れ去られているため現在は彼が第一王位継承者となっている。あらゆる物事を「次代の王となるための訓練」と考え、どんなことにも積極的に取り組む一生懸命な性格。デイブレイクの街を歩いていた際トラブルに遭ったため犬が苦手だが基本的には動物と戯れるのは好きである。イメージカラーは"デイドリーム"。

 

  • フリードリヒ=フォン=サンライズ(フリッツ)

 

 ハインリヒ、ヴィルヘルミーネ、フェルディナントの父にして現サンライズ国王。エルデ地方唯一の永世中立国であるサンライズを善政によって平和に治めている名君。その厳格だが優しい目で3人の子供たちを見守ってきた。ヴィルヘルミーネが攫われる元凶となった元アンスール皇帝のリアとは常に争いつつも互いのことを認め合う仲だったので、3年前に彼が討ち取られた報告を聞いた際には自室で静かに永遠の好敵手へ黙祷を捧げた。因みに彼の名前を愛称である『フリッツ』と呼ぶ人物はリアのみである。ハインリヒのことについては完全に忘れてしまった訳ではない様で、騎士団長として現れたハインリヒ(=クルト)を見て「出所のわからない僅かな驚きと喜びを感じた」と後にテナーに語っている。

 

  • ソレイユ=フォン=サンライズ(ソル)

 

 サンライズ王国・アハズ王国・タフト王国の前身である「サンライズ帝国」の初代皇帝と名高き伝説的な人物。「ソレイユ体質」の名はここから来ており、直系の子孫であるサンライズ王家ではその体質を受け継ぐ者こそ次代の王となる慣わしがある。古文書には兄妹剣の主として世界を駆け巡った記述もあり、エルデ史上最大とも謳われた帝国の栄華とも合わせてその力の大きさは計り知れない。

 

 

  • テナー=ライヴァティ

 

 チゼル騎士団の副団長。本来は彼が騎士団長であった。騎士道を重んじる騎士の鑑のような男性で、今日も仕事に明け暮れる。ハインリヒの存在を覚えているが彼にそのことは話さず、副団長と認識されるようになってから現在までの5年間、クルトを影ながら献身的に支え続けていた。クルトが旅立ってからは再び団長となり、主の健勝を祈りながら王国の治安を守っている。

 

 

  • チャコ

 

 サンライズ王国の南西にある「ルレットの森」の御神木『エウレカ』と魂を共にするという"巫女(ルレット)"、その147代目にあたる少女。エウレカを総本山とする精霊『マキア』の声を聞く事ができる。本来マキアの声を聞く事ができるのはそのマキアの主(マスター)またはエルフとエルフの血を受け継ぐ者のみだが、なぜかチャコはそのどれにも当てはまらない「純人間」である

 

 

  • ロプス

 

 突如ルレットの森を襲撃した青年。義姉と共に安心して暮らせる場所を求めて渡ってきたらしい。魔導士でないにもかかわらず風を自分の体の一部のように操る事ができる。彼自身は実際に森に危害を加える気は一切無かったが、能力が暴走し森一帯を大嵐で包み込んでしまった

 

  • ミッシュ

 

 エルデ地方を廻りながら公演をしている「パレットサーカス団」の団長をしているアルビノの男性。実年齢より若く見られることが多いらしい。カヤのことは自分の娘のように思っており、最初は彼女がクルトたちの仲間に加わるのをあまりよく思っていなかった。

 

  • ジェイソン=ヘシュラキド

 

 獣人であるカヤを攫って売り飛ばそうと企む獣人商人(ウェア・ディーラー)。手下たちをただの使い捨ての道具としか見ておらず、"役立たず"と判断した者は同情なしで容赦なく切り捨てるという外道。手袋をつけた指先をしきりに気にする癖がある。実は彼自身も猫の獣人で、同族の命を売るような凶行に走っている理由は不明である

 

 

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アハズ王国編の登場人物

 

 

 上記リンク先参照

 

 

  • マハヴィル

 

 アハズ王都モーントのバザールに屋台を構える狸獣人の商人。アハズ王国は獣人たちの保護や獣人商人たちの取り締まりを秘密裏にだが積極的に行っているので獣人たちは外套などで耳や尾を隠す必要がない。お陰で自由に人の行き交うバザールを歩き回ることができ、持ち前のトーク術で得た特殊なルートやコネクションを介して様々な品物や情報を仕入れている。そのためか情報屋としての一面もあるので誰が相手でも対等に接する中立の精神を持っており、贔屓も差別も一切しない。

 

  • スーイェ

 

 アハズ王国で突然パンダに挑戦状を叩きつけてきた"卯の方角より来たる魔導士"。曰く「4000年もの因縁を持つ相手」だそうだがパンダ自身、彼女に覚えはないという。巨大な筆で描いたモノを具現化させ自由に操る術を独学で編み出し、彼女の類稀なる絵の才能と合わせることでよりレベルの高い魔法へと昇華させた。因みに彼女が最も得意としている題材は"竜"である。

 

 

  • モーリシャス=フェロヴィーア

 

 エルデ地方の裏社会でその名を知らぬ者はいないとされる伝説の殺し屋。とある人物を暗殺するためコマチと共に行動を始める。標的ではない一般人、特に女性には手を出さないが、受けた依頼は絶対に成功させる主義なので仕事を邪魔する者であるならば話は別。得物は彼のトレードマークでもある"カタナ"と呼ばれる東方の剣「百徹(ももてつ)」と2丁拳銃。桃が好物で、仕事が終わった後は必ず桃をかじっている。

 

  • コマチ=イザヨイ

 

 モーリシャスと共に某組織に雇われた「両面宿儺(リョウメンスクナ)」の異名を持つ殺し屋の少女。身の丈ほどもある首斬り包丁を振り回す怪力の持ち主だが、もともと手先は器用な方で裁縫や書記といった細かい仕事も難無くこなせる。実は掛けているダテ眼鏡が外れてしまうと気弱そうな性格から一転、標的を惨殺することにしか快楽を感じられないサイコキラーと化す二重人格者。両面宿儺の由来はここから来ており、モーリシャスは相棒ではあるが別人格に変貌した際のストッパーのような存在でもある

 

  • アライヴ

 

 モーントのバザールをうろうろしていた癖っ毛が特徴的な男性。アハズには長く暮らしているので国の事情や歴史についてよく知っている。争いや不幸なことは避けたいと思っているが救いようがないほどの悪運持ちで、クルトたちと初めて出会った際は「頭上に植木鉢が落ちてきたので避けようと左に逸れたら足元にあった台車を踏んでしまいそのままバザールを突っ切り屋台と屋台の境界線である用水路に落ち流されて排水口に引っかかる」という大失態を犯してしまった。しかしなんだかんだ言って今日も自由に生きている。既に絶滅したと思われていた"竜人(ドラゴニュート)"の一人で、アーマードドラゴンの竜人。カヤやリキューレたち獣人族とは違い、魔法石の力を借りずとも自分の魔力だけで竜の姿に変化できる

 

 

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タフト王国編の登場人物

 

  • ハル=モニア

 

 「世界で最も幸福な国」と謳われるタフト王国の完璧なる女王。希望に満ち溢れた善良な国民たちの営みを見守り、テロリストや反逆者といった脅威から国を守る存在である。"国民が幸せに満ちた暮らしを送れることは自分の幸せでもある"と語り、すべての国民から愛されている名君、最高の統治者。しかし以降の項目は不幸に満ちた哀れな反逆者たちの手によって改竄されたものと判明したため閲覧不可能です。ですがご安心を。幸福で希望に満ち溢れた善良な国民の皆さんとは無縁の情報です。皆さんの幸福な暮らしを邪魔する物など元より存在する方がありえないのです。ああなんて幸せなことでしょう!!女王陛下万歳!女王陛下万歳!タフトに幸福あれ!反逆者たちに鉄槌あれ!

 

  • ラタン=ジャックウィル

 

 女王ハルの直属の従者である少年。善良な国民たちの生活を脅かす者たちを捕まえて彼らに「イタズラ」する役目を持つ。菓子をこよなく愛し、手に持ったバケットにはいつもお菓子が山盛りである。ちなみにこのお菓子、「イタズラ」を成功させた際に贈られる女王様からのありがたいご褒美。このために側近をやっていると言っても過言では無い。但しお菓子の山には少し意地悪な遊び心が込められている…かもしれない。

 

  • ピクセル

 

 黒い装束を纏った細身の男性。基本的に無表情で、相手に事柄を一つ一つ確実に伝えるかのように喋る。触れたものを「ブンカイ」し「組み替える」ことで新たな物を作り出す能力を持つ。その気になれば人体を原子レベルにまでブンカイして存在そのものを消し去ることも可能なので、戦闘要員兼処刑人として女王ハルの元に身を置かれている。戦闘時には頭部がルービックキューブのような立方体に変形し、思考する度にせわしなく動く。実はかつて王国中を騒がせていた殺人鬼「テトリス」の脳細胞から培養され生まれた人造人間(ホムンクルス)。姿や能力も全てテトリスと同一だが、記憶までは受け継いでいないとされている。しかし生まれつき高い戦闘能力と生存意欲を発揮させたため、恐らく殺人鬼としての本能は断片的ではあるが持っているのかもしれない

 

  • リヴェル

 

 東洋の服を身に纏う狐獣人の剣士で、サムライのような口調で喋る。本人曰く"民草の営みとは無縁の生を歩んできた"らしく、その言葉通り所々価値観がズレていることが伺える。「優れた者でも劣った者でも死ねば皆同じモノになる」と命の考え方に関しては非常にドライ。"己と最高の一騎打ちを演じられる好敵手を得る"ことを生涯の目標に定めているため、自身が持つ"予知"…即ち未来が見える力を持っていることを憂いている。得物は炎のマキア『カグツチ』が宿る七支刀(ななつさやのたち)。

 

  • セレイア

 

 タフト王国の西、「極光の海(アウロラ・ブルー)」の近くに住む車椅子の女性。とある人物の勧めで海岸沿いに建つ小さな家で静かに暮らしている。訳あって川に流されてきたクルトを見つけ介抱するが…。海岸で散歩するのが日課。

 

  • ノーランド

 

 極光の海に住まう引っ込み思案な魚人(ギルマン)の青年。セレイアに恋心を抱いているが魚人と人間の恋が成り立つはずが無いと内心諦めており、それでも毎朝海岸の近くにある花畑で摘んだ花を一輪、彼女の住む小屋の玄関前に置いている。魚人には手の代わりに巨大な翼のような水かきが付いているので人間のように手で人の顔に触れられない事を非常に悔しく思っている。

 

 

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ジュリエーザ共和国編の登場人物

 

  • ギア=ラックス

 

 ジュリエーザの首都オールド・メントにあるラックス商会の研究所(ラボ)を祖父スノーマから引き継いだ若干9歳の天才発明家。留学生であるセリムに蒸気機関を教授しているため、彼からは「先生」と呼ばれ慕われている。聴力が人間離れのレベルで良く、ロボットに組み込まれた歯車の音や雲が流れる音まで聞き分けることができる特殊体質の持ち主。夢は機械と人間が共存する世界を見ること。3年前、スノーマが『伯爵』に射殺される瞬間を目の前で見てしまった。あまりのショックに自身はその時の記憶を無意識に封印してしまっている

 

  • セリム

 

 ギアの元で蒸気機関の基礎を学んでいる留学生の青年。基本的に師匠であるギア以外の言うことは聞かないが、なんだかんだ言って面倒見の良い所謂"ツンデレ"な性格のメガネ男子である。出自についての詳細は『ディザレス=ミーア=アンスール』の項を参照

 

  • ラチェット=ラックス

 

 エドモンドの妻でギアの母親。エドモンドとは幼馴染で、彼を追いかけてオールド・メントまで上ってきた。おしとやかな印象の見た目に反し、腕っ節が非常に強い。夫の帰りをずっと待っている。

 

  • エドモンド=ラックス

 

 ラチェットの夫でギアの父親。若かりし頃はどうしようもないドラ息子で有名だった。ギアが生まれた後は何を思ったのか、感情を持ったことで暴走した機械亜人(アンドロイド)を取り締まる機械亜人統制局に所属する統制官=機械奇人(サイボーグ)になることを志願する。機械亜人との戦いの中で傷ついた自身の体は次々と機械に差し替えられ、ついには機械亜人よりも機械らしい姿と化してしまう。5年前のある日、任務に出かけたきり行方不明になった。

 

  • スノーマ=ラックス

 

 ジュリエーザが誇る天才発明家。エドモンドの父にしてギアの祖父。現在のジュリエーザにある飛行船や蒸気機関車などは彼が発明した。機械亜人(アンドロイド)計画にも参加し、機械と人間の共存を目指す穏健派として国民から多大なる支持を得てきた。老いを感じさせないほど好奇心旺盛な紳士で、ギアの地獄耳はどうやらこの祖父譲りらしい。3年前、彼を邪魔者扱いしていた競争相手の発明家や反対派議員の駒として研究所へ送り込まれた『伯爵』によって射殺される

 

  • 辰凛

 

 露出度が低い服装をした小柄な女性。半年前に義兄がとある理由で東へ旅に出てからはオールド・メントの外れでひっそりと暮らしている。全身に植物が生えており、花を一瞬で咲かせたりすることもできる。その異様な姿に目をつけた見世物屋に何度も狙われ、その度に義兄に守られてきたという。体を隠すような服装をしているのはこのためで、蔦を長く伸ばして足場を作ったり縄を生み出したりなど彼女の能力は敵から逃げるうちに鍛えられたものである。ちなみに急成長させた植物は細胞の疲弊ですぐに枯れてしまう。植物の光合成を活力とすることで何も食べずともしばらく生きることができるが、大気が汚染されたジュリエーザにこれ以上滞在すると命に関わる。

 

  • 『伯爵』

 

 ジュリエーザを騒がせている"機械仕掛けの狙撃手(スナイパー)、『モンテクリスト伯爵』"。無口だが理性はあるらしい。虎のような縞模様が入った銃弾を使用する「シャトーディフ」という名のライフルを担ぎ、主にヒットマンとして賞金稼ぎをしている。現在の標的(ターゲット)はギア。正体はアンスール帝国のとある科学者に目をつけられ、改造され尽くした末に洗脳されてしまったエドモンド。抵抗するも虚しく改造後のプログラム通りにスノーマを射殺した瞬間、最後に持っていた人間らしい感情は全て消えてしまったと思われる。帝国に連れて行かれた3日後に発布された殲滅令によりジュリエーザの機械亜人と機械奇人は2年間で全て破壊されたため、実質彼が"最後の機械人"である

 

 

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アンスール帝国編の登場人物

 

  • オフィーリア=ゾマ=アンスール

 

 3年前に即位したばかりの"大魔道主義帝国"「アンスール帝国」を治める聡明な女帝。帝国初の女帝ということもあって周りの皇族達からは陰口を叩かれているが、エルデ地方最大である祖国を守るために奔走するひたむきさが故に国民に支持されている。ミネッテがアンスールに攫われてきた理由を父王リアより聞かされていたので彼女の素性も全て知っている。ミネッテの部屋に訪れて話をするうちに距離が縮まり現在では親友のように仲が良い。キャスパーやフューザは幼馴染で、彼女が気兼ねなく悩み事を話せる数少ない存在である。エスティミのことは信用していないがために彼を排除しようととある作戦を実行するが、それが帝国をも巻き込む大事態になるとは思いもしなかっただろう。魔法が第一産業であったアンスールの皇帝にふさわしい魔導士でもあり、マキアと契約し主となった人間に対して勝るとも劣らない実力を持つ。

 

  • ディザレス=ミーア=アンスール

 

 アンスール第一皇太子でオフィーリアの弟。姉と同じく生真面目な性格で、祖国を大切に思い魔法資源が枯渇する前に魔法産業に代わる新たな産業を見つけようとしていた。本来は彼が皇位を継ぐ予定であったが、5年前留学先のジュリエーザ共和国で工場の爆発事故に遭い消息不明となってしまった。奇跡的に一命は取り留めたが、後に爆発事故がエスティミの配下によるものだと判明したので暫くはジュリエーザで身を隠すことに決め、『セリム』と名乗って発明家のギアがいる研究所に転がり込み彼の弟子となる

 

  • リア=イーシス=アンスール

 

 元アンスール皇帝。厳格な法で国を治めたため恐れられる存在ではあったが、彼がしてきた行動は全て自身が愛する帝国を守るためで国民たちもそれを理解していたので支持はむしろ高いほうであった、5年前のとある雨の晩に密偵を使わしヴィルヘルミーネ王女を捉えさせた張本人で、直後に城へ突入してきた兄のハインリヒ王子も単身で返り討ちにした。ミネッテを攫った明確な理由はあったようだが今となっては現皇帝である娘のオフィーリアしか知らない。3年前に地下牢で起きた反乱に巻き込まれ命を落としたとされている。サンライズ国王フリードリヒとは度々争いながらも悪くはない仲だったという。

 

  • キャスパー=ドミトリエフ

 

 アンスール帝国で最も規模が大きい「ドゥロット騎士団」をまとめる気さくな若き団長。元は豪商と名高いドミトリエフ家の嫡子であったが家柄に囚われた生き方を嫌って自ら騎士になることを選んだ。自身の剣術と人望で団長にまで上り詰めたのであって決して親の七光りではない。オフィーリアとは幼少の頃から面識があったようで、プライベートでは彼女のことを「姫さん」と呼んでいる。

 

  • フューザ

 

 フード付きのマントをかぶった気だるげな口調の青年だが、本性は"獄卒"と恐れられるほどのアンスール帝国きっての戦闘狂でエルデ地方最強の兵士とまで評される。両刃のついた大鎌を振り回す姿は正に死神。一個兵団分の戦力が彼のみで事足りる上に彼についてこられる者が軍内で誰もいなかったがために、ドゥロット騎士団員にしてアンスール帝国城地下にある牢獄の看守をたった一人で任されることになった。キャスパーは親友であり上司、オフィーリアは飲み友達だと思っている。

 

  • エスティミ

 

 アンスール帝国軍特殊部隊非魔法管理課"科学班"長を務める男性。ほんの数十年前までエルデ地方においては迷信と思われていた「科学」を提唱し、圧倒的な速さで原理を証明させたのちアンスールの核である魔法と並ぶ一大産業へと昇華させた。リアが若い頃からすでに帝国に仕えていたと思われるがその頃から外見は全く変化していない。普段は城の地下牢獄よりもさらに深部にある研究所に引きこもって実験に明け暮れているらしい。研究所は城の大広間並みに広いのだが、彼のマキアである"ルシファー"の巨躯が部屋の半分ほどを占拠してしまっているという。実はルシファーとエスティミは契約時に互いの身体を魔法で交換している。よって彼の本性はエルデに反旗を翻したマキア"ルシファー"そのもの。ルシファーと呼ばれているマキアの身体を借りた魂こそ本物のエスティミである。自身の魔力でエスティミの身体の老化を抑えているため歳をとっているようには見えなくなっている。また、科学を発見できたのもかつてそれを知っていたエルデの元にいたからである

 

  • リリー=デ=ウィット

 

 アンスール帝国の科学者。生まれつき頭に3つの顔がついた異形の姿をしているがために周りから敬遠されている。本人はいたって気にしていない。3つの顔は同じ一つの意識と記憶を共有している。が、何故か身体能力はそれぞれ違うので「朝に寝ていた顔が夜起きて朝起きていた顔の代わりに機能する」など顔を使い分けることにより寝不足なく夜を徹して実験や作業などができるから便利な体質だ、と本人は語る。

エスティミが画策している"計画"の概要を知っているが、関わりたくはないらしい

 

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『マキア』

 

  1. 野に咲く花、燃える炎、市場に並ぶ布などこの世界のあらゆるモノに宿る意識体、精霊のこと。

  2. マキアに選ばれた人間は契約し彼らの"主(マスター)"になることで魔法とは段違いの力を得る。あまり知られていないが、エルデ地方の歴史において"英雄"と謳われている者たちのほとんどはこのマキアたちと契約した主である。マキアの声は契約した主や同族であるマキア、また古くからマキアと共に暮らしてきたエルフの血を受け継ぐ者にしか聞こえない。主をなんらかの理由で失い1日以内に新たな主と契約できなかった場合、あるいは憑依している依り代を破壊されるか実体化した姿が損傷し活動限界を迎えるとマキアは一旦消滅し、総本山である「ルレットの森」の神樹「エウレカ」に還ってくる。相棒を失った元主でもここに来れば再び契約することが可能。

  3. マキアの本来の役目は自ら主を選びその者に付き従うことで世界を見て聞いて知り、彼らを生み出した全知全能の存在『エルデ』に報告すること…即ち「神の目と耳」になること。よってマキアが主を選ぶ基準は「自らの気質に合う者であるか」、いわば"気まぐれ"で押し掛け弟子のように突然その人間の前に現れるのである。…例外もいるが。基本的にマキア同士で争うようなことは殆どなく、どんなに邪悪な力を持つマキアに対しても周りは決して憎まずにそのマキアを受け入れようとする。とはいえ相手が自身の主を傷つけようとしているのであるならば話は別。彼らがエルデへ世界の様子を伝えるための"歌"を邪魔してはいけないのは主の最低限の心がけと言える。

  4. 個体によって様々な姿をしているが、死の概念がないゆえに生殖の必要性もないので彼らの頂点に立つ「兄妹剣」のマキア2柱以外に性別はない。

  5. マキアは魔力や能力の強さによって最高のSから最低のCまでのランク付けがされている。Cランクのマキアは力が弱く、主の魔力を使って「姿を消す」「傷を癒す」などあくまで主のサポート役にしかなり得ない者が多いが、Sランクのマキアともなると主からの魔力供給を必要とせず自由に実体化も可能なので魔導士でない人間が主になっても魔法が撃ち放題になり、ある意味魔導士以上の力を発揮できる。下記に記載しているのはそんなSランクに位置する非常に強力なマキアたちである。しかし彼らの力を生かすも殺すも全て主の手にかかっているので実質このランク付けはあまり役に立たない。

 

 

 

  • アルバ ランク:S

 クルトと契約した"暁"のマキアで依り代は聖剣。太陽の象徴としてエルデ地方のおとぎ話によく登場するが本人曰く太陽とは少し違う存在であるらしい。「兄妹剣」の片割れで、実体化すると白い装束を纏った小さな少年の姿になる。「兄妹剣」は常に共にあることを前提として生み出されたらしく、離れ離れになると無意識に互いを呼び引き付け合うと言われている。非常に強力な炎魔法を扱う攻撃特化型。主に対してはタメ口をきくが基本的に従順で気立ても良い。本来はエルデの兄として生まれてくるはずだった者の意識体だった

  • ルナア ランク:S

 ランスと契約した"黄昏"のマキアで依り代は聖剣。太陽の象徴としてエルデ地方のおとぎ話によく登場するが本人曰く太陽とは少し違う存在であるらしい。「兄妹剣」の片割れで、実体化すると黒い装束を纏った小さな少女の姿になる。アルバが典型的な攻撃型なのに対しルナアは超高温の大気で防護壁を作ったり足元に爆炎の種などの”トラップ”を仕掛け待ち伏せる戦法を得意としているので彼女の力を使いこなすにはそれなりのテクニックと試行錯誤が必要になる。無口ではあるが人懐っこい性格。本来はエルデの姉として生まれてくるはずだった者の意識体だった

  • エクリプス ランク:S

 パンダと契約した"蝕"のマキアで依り代は杖。目元が隠れるフード付きの外套を身につけた人物の姿で実体化する。無感情そうな口調をしているが、甘党だったり時折居眠りをしたりなど性格は主であるパンダに近いものがある。強力な重力魔法を操るが、力が暴走しすぎるとあらゆるものを引きつけてしまうため隕石落下には要注意。元は"ネオジム磁石"に宿る意識体だった

  • ヨイチ ランク:S

  臨時でリーナと契約した"鏑"のマキア。依り代である弓の名をとって『ヨイチ』と名付けられた。弓に込められていたエクリプスの魔力が意思を持ったことで誕生したため魔力の波長はエクリプスのそれと全く同じである。よって実質"もう一人のエクリプス"であるという解釈もできる。烏帽子をつけ顔を布で隠した和装の人物の姿で実体化する。主に視力強化や追い風を生み出すなどサポート役に徹するタイプで射手であるリーナとの相性は抜群。

  • カンダタ ランク:S

 シャトレインと契約した"繋"のマキアで依り代は不明。3対の腕と1対の脚を持つ巨大な糸人形の姿で実体化する。同じ目線で世界を見たいと望むシャトレインの意志を汲んで彼のことを"同志"と呼ぶ。異形の姿をした自身を誰よりも嫌っているため謙遜した物言いをすることが多いが、最近は主の寛容な性格に影響され徐々に明るい考え方もできるようになった。繰り出す金の糸は銃弾・砲弾、どんなに重い剣の一撃でも防ぎ切るほどの頑丈さを持つが、シャトレインの意識・精神力と繋がっているので彼が気を失ったり感情が乱れたりすると途端に切れてしまう。

  • イヴ ランク:S

 ユアンと契約した"理"のマキアで依り代は杖。紅い体を持つ白眼のネズミの姿で実体化する。もふもふすると気持ちがいいらしい。毒舌を吐く所は主とそっくりだがマキアの声を聞くことができる者は殆どいないのであまり効果はない。相手の脳組織に接続し文字通り体の髄から神経までの全てを洗脳して操ることができる。その気になれば複数の人間の戦意を喪失させ挙げ句の果てには精神崩壊にまで陥らせる恐ろしい能力なので、ユアンは時折イヴの力を制御するためにエイシックの知恵を借りている。元は"麻薬"に宿る意識体だった

  • ジッグラート ランク:S

 ディードと契約した"甦"のマキアで依り代は手甲。雷を帯びた竜の姿で実体化する。普段は主のことを「ヌシ」と呼んでいる。容姿と実力に反して争いをあまり好まない性格をしており、主も「戦いよりも誰かを守るために力を使いたい」という彼(?)の思いを尊重してあくまで力は護身用としている。周りの地形を変えてしまうほどの超強力な雷魔法は一歩誤れば敵はおろか主まで感電させかねない程の危険度だが何故かディードにはその心配はいらないらしい。元は"自動体外式除細動器"に宿る意識体だった

  • カグツチ ランク:S

 リヴェルと契約した"滅"のマキアで依り代は七支刀。首が無い八咫烏の姿で実体化する。主のことは「主殿」と呼んでいる。「焼滅」「笑止」など二字熟語で喋るのが特徴。その炎は対象を灰にするまで絶対に消えないと言われており、「下手をすれば世界の全てを焼き尽くしてしまう」という自身の力を恐れたカグツチ本人によって主を選ばぬまま長い間エウレカに封印されていた。しかしそれに対し自身の力を極限にまで高めたいと望むリヴェルの信念に突き動かされ自ら封印を解き彼と契約を結んだ。元は"水素爆弾"に宿っていた意識体だった

  •  ランク:S

 フューザと契約した"冥"のマキアで依り代は大鎌。片方が非常に大きくなった一対のツノを持つ牛の姿で実体化する。相手の心の奥底に眠る善悪を見極めることに優れており、心の清らかさによってその者に最も相応しい「死」を与える。フューザがまだ騎士団の戦闘員であった頃、「返り血に塗れてでも自身の背にある宝物を守りたい」という願いに惹きつけられ、彼と契約を結ぶ。普段は自由奔放なフューザの奇抜な行動にいつも巻き込まれており、所謂ツッコミ役として苦労の日々を過ごしている。

 

  • ルシファー ランク:S

 エスティミと契約した"叛"のマキアで依り代は不明。非常に巨大な白い蛇の姿で実体化する。常にカタコトで喋り、人を見下したような態度をとるが主に対しては素直で、エスティミもあくまでルシファーとは対等に接したがっている。アンスール城の大広間とほぼ同じ大きさとも言われるエスティミの研究室の半分はルシファーの巨躯が占拠しており、近付いた相手を尾で壁に叩きつけようとする。最強クラスのマキアを自称しているが、実はルシファーの存在を何故かマキアたちやその頂点に立つアルバ・ルナアですら認知しておらず、そもそもマキアであるのかどうかすら怪しいという。元はエスティミと名付けられた人造人間の魂。互いに出来損ないであったが為に人造人間とマキアは惹き付けあい、ある時契約を結ぶ。人造人間に同情したマキアは双方の身体を魔法で交換し、死の概念のないマキアの身体を主に明け渡すことで主の命を永遠に守ろうとした。そしてこの数奇な主従は新たな力を得ることでそれぞれの種族への復讐を果たそうと決意したのである

 

 

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『大罪人』

 

 アンスール皇帝オフィーリアが救出隊に提案したミネッテ王女との"交換条件"。3年前にアンスール城の地下牢獄より脱獄した13人いるとされる罪人であり捕獲対象、すなわち「お尋ね者」である。全員どこかの体の部位に囚人番号と思わしき数字が印字されており、また殺気を帯びるなどの興奮状態に達した際には青白い(一部は赤い)眼光線を発するのが特徴。並の人間よりも遥かに高い身体能力の他に何かしらの特殊能力を備えているため、面と向かって相手をするのは無論自殺行為である。シュピーゲルは作中で何度もこの大罪人を捕らえようとするクルトたち一行を阻んでくる。だが13人とされているはずが名簿には以下14人分の囚人番号が記載されており、どうやらこの14人の内1人が、大罪人になりすました大罪人よりも遥かに悪辣な『重罪人』であると思われる。

 

  • ​0号…『存在を許されぬ者』。番号の位置は瞳。

  • 7号…『失敗を許されぬ者』。番号の位置は胸元。

  • 9号…『過去を許されぬ者』。番号の位置は左頬。

  • 111号…『純真を許されぬ者』。番号の位置は舌。

  • 147号…『恋慕を許されぬ者』。番号の位置は腰。

  • 225号…『恩義を許されぬ者』。番号の位置は瞼。

  • 403号…『を許されぬ者』。番号の位置は首筋。

  • 581号…『覚悟を許されぬ者』。番号の位置は額。

  • 666号…『平穏を許されぬ者』。番号の位置は左脛。

  • 792号…『同情を許されぬ者』。番号の位置は爪。

  • 864号…『協調を許されぬ者』。番号の位置は右肩。

  • 870号…『自由を許されぬ者』。番号の位置は左肩。

  • 1349号…『希望を許されぬ者』。番号の位置は右手の甲。

  • 1821号…『懺悔を許されぬ者』。番号の位置は背中。

 

 

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 エルデ

 

 通称「宇宙(そら)の少年」。俗に"神"と呼ばれる唯一にして最も強き存在。世界の創造主として『エルデ地方』に残る神話・伝承に兄妹剣と共に何度も登場する。世界の全ては彼の描いた夢が形になったモノとされ、誰にもそれを壊すことは許されないと言われている。

 元はこちらの世界、即ち我々のいる"現実世界"に住むごく普通の少年だった。彼が如何様にして天地創造を成し遂げたのかは不明だが、それが原因なのか彼は自らが創った世界に一切の影響を与えることができなくなってしまったという。そこでエルデは、現実世界で知り合ったあらゆる"友達"…モノに宿る意識体の助けを借りることにした。万物の感情や声を感じ取ることができたというエルデにより世界に干渉する力を得たその意識体たちこそがマキアの正体である。

 この世界では魔導士として活動しているエルーカケイシスはまだ只の少年であった頃の幼馴染であった。

 自らの新たな友として人造人間のエスティミを2人と共に生み出した張本人で、彼を出来損ないにしてしまったことを申し訳なく思っている。だが一方で、「彼ならきっとそんな運命もいずれ乗り越えられるだろう」という端から見れば非常に自分勝手な考えも持ち合わせており、「必ず成功するためなら何度でも失敗して良い」という言葉は後のエスティミが数多の人体実験を重ねる方便として利用されている。そのことに関してエルデ自身は「彼の選んだ道だから」「自分は見届けることしかできない」と何の反省も後悔もしていない。正に少年のように純粋で残酷な性格の持ち主で、ある意味この物語全ての黒幕とも呼べる存在なのかもしれない

 

 

 

 

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